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【書評】子供をクリエイティブに育てたければ藤原和博さんの『僕たちは14歳までに何を学んだか』から子育て論を学べ!

 

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藤原和博さんの『僕たちは14歳までに何を学んだか』ってどんな本なの?

子供を"上質な普通"ではなく、希少性の高いクリエイティブな人に育てるヒントが得られる教育本だよ。

 

 

 こんにちは、サラリーマンブロガーの青井(@blue_mooon_blog)です。

 今回は藤原和博さんの著書『僕たちは14歳までに何を学んだか』をレビューします。

 

 この本は題名のとおり、自ら時代を切り開いてきた4人のトップランナーたちが"子供のころに何をして、何を学んだか"をテーマにインタビュー形式で記された本です。

 著者自身の子供時代についても触れられているため、著者も含めると各々の家庭環境や子供時代は五者五様であり、それぞれの物語に読み入ってしまいました。

 子育て世代の親御さんたちに是非読んでもらいたい一冊です。

 

 

 

 

 1. 僕たちは14歳までに何を学んだかについて

 

 1-1. 僕たちは14歳までに何を学んだかとは

 

 『僕たちは14歳までに何を学んだか』は2019年に出版された本です。

 この本では、教育改革実践家を名乗る著者の藤原和博さんがインタビュアーとなって、時代を切り開く4人の革命家たちから子供時代の話を聞いています。

 

 4人の革命家たち 

 

キングコング西野亮廣さん

ホリエモンこと堀江貴文さん

・SHOW ROOMの前田裕二さん

・DMMの亀山敬司さん

 

 

 副題に「学校では教えてくれない新時代の必須スキル」とあるように、令和になった現代では昭和や平成の時代とはまた違った能力やスキルが必要になってきました。

 そこで4人の革命家たちとの対談から、子供時代にどんなふうに遊び、学び、育ったのかを聞き出し、 これからの世の中に本当に身につけるべきことを探ります。

 

 

 1-2. 著者 藤原和博さんについて

 

 藤原和博(ふじはらかずひろ)さんは自ら"教育改革実践家"を名乗る、異色の経歴をされた方です。

 

 東京大学 経済学部卒業

 → 日本リクルートセンター(現:リクルート)入社

 → 杉並区立和田中学校校長

 → 橋下徹大阪府知事 特別顧問

 → 佐賀県武雄市特別顧問

 → 奈良市立一条高校校長

 → 教育改革実践家として活躍

 

 藤原さんは東京大学を卒業後、ほとんどの同級生が大企業へ就職する中で、当時はまだ中小企業であったリクルート社へ就職し、営業マンをされていました。

 その後40代後半から教育界に転身し、教育委員会を経て、東京都における義務教育初の民間人校長に就任

 現在は教育界の「正解主義・前例主義・事なかれ主義」を改めるべく、教育改革実践家として講演や、著書の執筆などの活動をされています。

 

 主な著書は『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』など。

 

blue-mooon.hatenablog.com

 

 

 1-3. 僕たちは14歳までに何を学んだかの読書時間

 

 私は読書をするときにストップウォッチアプリを使って、正確に読書時間を記録しています。

 

 僕たちは14歳までに何を学んだかの読書時間は…

 2時間10分!

 

 206ページと比較的薄めの本でもありサクッと読めてしまいました。

 私が読んでいる本の中では平均的な時間です。

 

 

 

 

 2. 僕たちは14歳までに何を学んだかの評価

 

タメになる 
 構  成  
読みやすさ 
 価  格  
おすすめ度 

 

 2-1. タメになる ☆5.0

 著者も本書の中で「子育てには正解がない」と言っており、子育て世代の親にとっては子供に何を学ばせるか悩まれている方も多いでしょう。そのため著名人たちの経験からヒントを得られるだけでも、非常にタメになります。

 

 4人の共通点は、子供のころから無いものは自分で作るクリエイターであったということ。例えば、西野さんは兄弟が多く玩具を買ってもらえなかったので段ボールでオリジナルのレゴを作ったり、堀江さんはプログラミングを学んで自分でゲームを作っていたそうです。

 今のご時世はモノにあふれているので、親はつい子供にいろんなモノを買い与えがちになりますが、子供の創造性を育むには"無いものを創り出す創意工夫"を促すことが重要かもしれません。

 

 またインタビュー記事だけでなく「スマホは何歳からもつべきか」といった教育テーマについても著者の意見を解説されています。

 

 

 2-2. 構成 ☆3.0

 本書の中で少し気になったのは、「ホリエモンのページ少な!」と思ってしまったところ。以下が4名それぞれの掲載ページ数です。

 

 掲載ページ数 

 

・西野さん 34ページ

・堀江さん 14ページ

・前田さん 30ページ

・亀山さん 36ページ

 

 これを見ていただければわかるように、明らかに堀江さんのページが少なく、掲載ボリュームに偏りがあります。

 またインタビューよりも著者の解説に割いているページが多いため、もう少しインタビューに重点を置いた構成にしたほうが楽しめると感じました。

 

 

 2-3. 読みやすさ ☆5.0

 本書に限らず藤原さんは一貫して"読みやすい本"を執筆されています。

 難しい言葉をあえて使わず、教育者らしい文体はさすがと言えます。

 

 

 2-4. 価格 ☆5.0

 価格は税抜800円と文句なし!

 非常にお買い得な価格設定になっており大満足です。

 

 

 2-5. おすすめ度 ☆4.5

 「子供には好きなことをさせたい」、「得意なことをとことん伸ばしてやりたい」と思っている子育て世代の方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。

 この本を読むことで、あなたの子育て論が変わるかもしれません。

 

 

 3. 最後に

 

 この本を読んで、現在の日本の教育は"上質な普通を育てるシステム"になっていることに改めて気付かされました。

 自由に考えて行動をおこすよりも、学校の勉強は正解を導き出すことが重要視されています。他人と違う感性を持っていても、みんな同じ方向を向いていることが良いとされる文化があります。

 

 しかし、時代はとんでもない速さで変わっています。

 

 今まではお受験をして、いい学校を卒業して、大企業に就職することが人生の勝ち組とされてきましたが、今は大企業でもブラック企業と叫ばれたり、時代の流れに置いて行かれた企業は淘汰されている時代です。

 これからの時代を生き抜くには、子供の希少性を高めてあげることが重要です。

 私は子供が何かに没頭しているなら、それを応援してあげられる親になりたいと思います。この本を読んで子供の将来について、今一度真剣に向き合ってみてください。

 

 

 

 

【書評】たった7つの条件クリアであなたも1%の人になれる!キンコン西野さんも勧める『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』

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藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』ってどんな本なの?

誰にでもできるたった7つのことで、自分の"レア度"を高めて100人に1人の存在になれる方法が書かれた、タメになるビジネス書だよ★

 

 

 こんにちは、サラリーマンブロガーの青井(@blue_mooon_blog)です。

 今回は藤原和博さんの著書『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』をレビューします。

 

 この本は、芸人のキングコング西野亮廣さんが自身の著書『魔法のコンパス』の中で、「バチクソに面白いから、絶対に読んだほうがいい」とおっしゃっていました。

 「そこまで言うなら…」と思って読んでみたところ、、、バチクソに面白かったです←

 

 この本の主張をひとことで言うと、

 "時間"という限られたあなたの資源を、何に投資するか、しっかり自分でマネジメントしなさい!

 ということ。時間の使い方によって100人に1人、著者いわく「雑居ビルに1人」くらいのレア度には特別な才能がなくとも誰でもなれると言っています。

 それでは紹介を始めます。

 

 

 

 

 1. 藤原和博の必ず食える1%の人になる方法について

 

 1-1. 藤原和博の必ず食える1%の人になる方法とは

 

 『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』は2013年に出版された本です。

 この本では自分の目指す生き方を、価値観×志向のマトリックスで4つのカテゴリーに分類し、それぞれのタイプの中で1%の人になるための方法が説かれています。

 

 ~4つのカテゴリー~

 【A:社長タイプ 】 経済的価値を重視し、権力志向

 【B:自営業タイプ】 経済的価値を重視し、プロ志向

 【C:公務員タイプ】 経済以外の価値を重視し、権力志向

 【D:研究者タイプ】 経済以外の価値を重視し、プロ志向

 

 100万人に1人の「世代に1人」ではなく、1万人に1人の「町に1人」でもなく、100人に1人の「雑居ビルに1人」、すなわち1%の人なら、7つの条件をクリアすることで、無理をしなくても、誰にでもなれ、食べていくことができます。

 あなたはA~Dのどのタイプで1%の人を目指しますか?

 

 

 1-2. 著者 藤原和博さんについて

 

 藤原和博(ふじはらかずひろ)さんは自ら"教育改革実践家"を名乗る、異色の経歴をされた方です。

 

 東京大学 経済学部卒業

 → 日本リクルートセンター(現:リクルート)入社

 → 杉並区立和田中学校校長

 → 橋下徹大阪府知事 特別顧問

 → 佐賀県武雄市特別顧問

 → 奈良市立一条高校校長

 → 教育改革実践家として活躍

 

 藤原さんは東京大学を卒業後、ほとんどの同級生が大企業へ就職する中で、当時はまだ中小企業であったリクルート社へ就職し、営業マンをされていました。

 その後40代後半から教育界に転身し、教育委員会を経て、東京都における義務教育初の民間人校長に就任

 現在は教育界の「正解主義・前例主義・事なかれ主義」を改めるべく、教育改革実践家として講演や、著書の執筆などの活動をされています。

 

 ちなみに、容姿は歌手のさだまさしさんに非常によく似ています。(著者はよく"話しのつかみ"に使っているそうです。)

 

 

 1-3. 藤原和博の必ず食える1%の人になる方法の読書時間

 

 私は読書をするときにストップウォッチアプリを使って、正確に読書時間を記録しています。

 

 藤原和博の必ず食える1%の人になる方法の読書時間は…

 2時間28分!

 

 231ページの本ですが、内容が面白くサクサク読めてしまいました。

 私が読んでいる本の中では平均的な時間です。

 

 

 

 

 2. 藤原和博の必ず食える1%の人になる方法の評価

 

オリジナリティ 
タメになる 
読みやすさ 
価  格 
おすすめ度 

 

 2-1. オリジナリティ ☆5.0

 本書の中で1%の人になる方法として書かれている7つの条件は、決して目新しい特別な方法ではありません。

 しかし、4つのタイプそれぞれで7つの条件を掛け合わせるアイデアは、異色の経歴をされている著者のご経験があってこそ書ける内容だと思います。

 特にどのタイプにも共通している1~3の条件は、「1%の人になるには、こんな簡単なことからでいいんだ」と思わせてくれるほど私にとってはハードルが低い条件であり、4~7の条件はそこからタイプごとに発展させていく切り口が面白く、独自性があると感じました。

 

 2-2. タメになる ☆4.5

 この本は何を削って、何に費やすか、といった今後の時間の使い方を足し算・引き算で考えさせられる、自己啓発には非常にタメになる本です。

 ただ中には、結婚式や葬式には出席するな、ゴルフはするなといったような記述もあり、ご自身の武勇伝的な経験が人生の正解と読み取れてしまう表現もありました。

 私自身付き合いのゴルフでネットワークが広がった経験もあるため、内容に必ずしも同意できない箇所もありましたが、これは極端に書いているだけで「自分なりの基準を決めて時間をマネジメントしなさい」という著者からのメッセージと受け取りました。

 

 2-3. 読みやすさ ☆5.0

 「藤原流の〇〇」という言葉をよく使われているように、ご自身の経験を元に書かれています。

 そのため、ビジネス書でありながら自叙伝を読んでいるような感覚で、著者の生き様に入り込みやすく非常に読みやすい本です。

 難しい言葉も一切使わずに分かりやすく書かれた、教育者の著者らしい一冊です。

 

 2-4. 価格 ☆4.0

 価格は税抜1,400円と一般的です。

 この値段を出して読む価値は十分にあると思います。

 

 2-5. おすすめ度 ☆5.0

 今の働き方に満足していない方や、現状平凡な99%側にいて、それを打破したいと思っている向上心のある方には是非読んでいただきたい本です。

 あなたの今後の人生を変える一冊になるかもしれません。

 

 

 3. 藤原和博の必ず食える1%の人になる方法の教え

 

 3-1. 読書のすゝめ

 

 本書の中で著者が読書を勧める記述が繰り返し出てきます。

 その理由は、読書をすることで他人の視点から世の中を見れるため。

 つまり、自分以外の考え方を知ることで教養が生まれると言います。

 教養を身につけることで相手に対する理解度が深まり、相手に与える自分の情報も豊かになります。

 多様な価値観をもつ人同士が一緒に仕事をしてコミニュケーションしていくには、教養は必須スキルであり、教養がなければ相手の話しに合わせることもできず、ただ頷くだけの人になってしまいます。

 

 私自身も読書を始めてから会話の引き出しが増え、人見知りな性格ながらも、ビジネスだけでなくプライベートでも人との会話が自然と弾む機会が増えました。

 これは通勤電車の時間をスマホゲームに充てていただけでは起こり得なかった変化です。

 通勤読書の習慣は今後も続けていきたいと思います。

 

 

 3-2. 著者のルーツをたどる

 

 読書に関していえば、この本を読んで私はもう一つ大きな発見がありました。

 それは著者のルーツを垣間見たことです。

 

 私がこの本を読んだキッカケは、キングコング西野亮廣さんが『魔法のコンパス』の中で本書を紹介されていたからです。

 その西野さんの本には、

 ・芸人と絵本作家の掛け合わせで希少価値を高めること

 ・これからは好きなことでマネタイズの方法を考えて生きていく時代になること

 など、本書で藤原さんがおっしゃっていることと、ご自身の考えを融合された意見を著書の中で主張されていました。

  

blue-mooon.hatenablog.com

 

 藤原さんもこれまでに沢山の本を読まれてきて、同じようにきっと誰かの影響を受け、ご自身の経験と掛け合わせて「1%の人になる方法」にたどり着いたと思います。

 このように著者のルーツを遡っていくのも、読書の楽しみのひとつであると気付きました。

 

 

 3-3. 何歳からでも挑戦する

 

 教育改革実践家としてご活躍されている著者ですが、幼少期から本をたくさん読んでいたわけではないとのことです。

 

 キッカケは30代になってから仕事で本を読まざるを得なくなったこと。

 また英語の勉強を始めたのも30代からと言います。

 そして著者は40代後半でサラリーマンから教育界に転身し、成功を収めています。

 

 このような著者の生き方を知ると、何かを始めるのに遅すぎることはないということに気付かされました。

 朝から晩まで会社のために一生懸命働く時代が終わりを告げ、なりたい職業の上位にユーチューバーがランクインするほど働き方が多様化する中で、何かに挑戦することは何歳からでも決して遅くありません。

 前述のキンコン西野さんの言葉を借りれば、一歩踏み出すのに勇気はいりません。

 リスクをおかして冒険する必要もありません。

 必要なのは覚悟を決めるための情報量です。

 私も何歳になっても挑戦する人生を歩みたいと思います。

 

 

 4. 最後に

 

 「この本を読むか読まないか、またいつ読むかで人生が変わるだろう。」

 

 これは本書の冒頭の一文です。

 大学生が読めば就職活動での会社選びが変わるかもしれません。

 社会人が読めば何に時間を投資するか今後の生き方が変わるかもしれません。

 あなたもこの本を読んで1%の人を目指しませんか?

 

 

 

 

【書評】キンコン西野さんの『革命のファンファーレ』は、1日を24時間以上の価値にできる術が身につく一冊!

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キングコング西野亮廣さんが書いた『革命のファンファーレ』ってどんな本なの?

デジタルネイティブの時代を生きぬくための「お金と広告」について書かれた、とっても面白いビジネス書だよ★

 

 こんにちは、サラリーマンブロガーの青井(@blue_mooon_blog)です。

 今回はキングコング西野亮廣さんの著書『革命のファンファーレ』をレビューします。

 

 「西野さんって最近テレビで見なくなった芸人でしょ?」と思われている方もいるかもしれませんが、この本を読めば、西野さんがこの超情報化社会の特性を理解し、圧倒的な情報量と覚悟により"道なき道を歩く現代の革命家"であることがわかると思います。

 

 将来起業家を目指している方や、ドキドキワクワクした何か新しいことを始めたい方には、この本に書いてあるビジネスマインドを参考にしてほしいと思います。

 

 

 

 

 1. 革命のファンファーレについて

 

 1-1. 革命のファンファーレとは

 

 『革命のファンファーレ』は2017年に出版された本です。

 この本は大きく2つの構成になっており、

 ①絵本『えんとつ町のプペル』の販売戦略と広告の話

 ②本書『革命のファンファーレ』の販売戦略と広告の話

 について書かれています。

 まさかの「今あなたが読んでいる本はこういう戦略で売ります」という内容。

 でも西野さんの考え方が非常にロジカルで斬新なので面白いです

 また、お金と信用の関係や、これからの時代の働き方についても言及されています。 

 

 

 1-2. 『魔法のコンパス』との違い

 

 西野さんは『革命のファンファーレ』以外にも何冊かビジネス書を執筆されています。

 先に出版された『魔法のコンパス』もその中のひとつ。

 本書の中で「魔法のコンパスをアップデートした」旨の記述がありますが、そのとおり魔法のコンパスと革命のファンファーレでは内容的に重複している部分があります。

 

 その中でも『魔法のコンパス』は、 絵本作家やクリエイターとして多方面で活躍されている今日に至るまでの経緯、西野さんの目指すところやマインドを中心に書かれている一方で、『革命のファンファーレ』ではより具体的にえんとつ町のプペルの販売戦略などが書かれています。

 

 「どちらを先に読んだほうがいいか?」と問われると、私は魔法のコンパスを先に読んだほうが西野さんの目指す方向性が理解できて、よりスムーズに内容に入っていけると思います。

 「どちらか一冊を読むならどちらがいいか?」と問われると、こちらも魔法のコンパスをオススメします。

 なぜなら、導入書として魔法のコンパスを読めば、西野さんの活動が非常に興味深いことに気づき、必然的に革命のファンファーレも読みたくなるからです。

 

 興味が湧いた方はこちらの記事も参考にしてください。

blue-mooon.hatenablog.com

 

 

 1-3. 著者 西野亮廣さんについて

 西野亮廣(にしのあきひろ)さんは梶原雄太さんとコンビを組み、キングコングとして活動している言わずと知れた人気芸人です。

 ただ西野さんは芸人の粋にとどまらず、絵本作家や講演家、また国内最大級のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」のオーナーでもあり、様々な領域で活躍されています。

 

 西野さんの活動をよく知らない方は、"炎上芸人"のイメージがあるかもしれませんが、2018年には「リベンジ成人式」を企画、2019年には渋谷に無料のコーヒーショップをオープンさせるなど、オンラインサロンのメンバーと共に世の中にオモシロイことを提供しています

 

 

 1-4. 革命のファンファーレの読書時間

 

 私は読書をするときにストップウォッチアプリを使って、正確に読書時間を記録しています。

 

 革命のファンファーレの読書時間は…

 2時間25分!

 

 310ページと比較的ボリュームはありますが、面白いのでサクサク読み進めることができました。

 私が読んでいる本の中では平均的な時間と言えます。

 

 

 

 

2. 革命のファンファーレの評価

 

面  白  さ 
タメになる 
読みやすさ 
価   格 
おすすめ度 

 

 

 2-1. 面白さ ☆4.5

 内容は抜群に面白いです。安定の面白さはさすが西野さん、と言ったところ。

 読んでいてこれほどワクワクするビジネス書にはなかなか出会えないと思います。

 ただ先述のとおり、『魔法のコンパス』と内容が重複する部分も多く、前作も読んだ方には目新しさでは少し劣ってしまうため、満点から☆0.5を引かせてもらいました。

 

 

 2-2. タメになる ☆5.0

 これに関しては文句のつけようがありません。

 過去の実績や常識の上にあぐらをかいている人には到底思いつきもしない、西野さんの時代の変化に合わせたビジネスモデル。

それをいち早く実践し、成功を収めている裏に隠された行動の数々は非常に勉強になります。

 

 

 2-3. 読みやすさ ☆5.0

 難しい用語も一切でてこず非常に読みやすい本です。

 前作では若干話題が散らかっていましたが、今作は「お金と広告」にテーマを集約することで読みやすくなっています

 また、インスタで拡散されることを意識して正方形に作った、という格言的な見出しのレイアウトもしかり、各項の小見出し、重要な部分の太字など、読み手に取って読みやすい 且つ 読み返しやすい工夫が施されている点もGood。

 

 

 2-4. 価格 ☆4.0

 価格は税抜1,389円と可もなく不可もなくといったところ。

 この値段を出して読む価値は十分にあります。

 

 

 2-5. おすすめ度 ☆5.0

 間違いなくオススメできる一冊です。

 私は西野さんの信者でも、オンラインサロンの会員でもありませんが、ビジネス書として純粋に参考になる内容ですので、「四の五の言わずにとにかく読んでみろ」と言いたいです。

 

 

 3. 革命のファンファーレを読んで響いた言葉

 

 3-1. 変化しなければ生き残れない時代に、僕らは立ち会っている

 

 頑張れば報われる時代は終わり、変化しなければ生き残れない時代に、僕らは立ち会っている。面白いじゃないか。変化しなくても良かった世代の常識と、衝突することもあるだろう。あなたが革新的な動きをみせれば、それが革新的であればあるほど、摩擦は大きくなる。

~中略~

 単純に彼らの理解が追いついていない場合もあるが、そこに発生する批判のほとんどは「変化することに対する恐れ」だ。ならば、そんな批判を甘んじて受けようじゃないか。変化しなければ死んでしまう時代なのだから。

 

 私たちの親世代の常識は「お金=ストレスの対価」であり、死ぬほど働くことが美徳とされてきましたが、"情報革命"すなわちインターネットの普及により、働き方も常識もお金の形も色んなものが変化しています。

 そして、その革命を親や先生は経験していないので、自分で変化を捉えて対応していかなければいけない時代になったという西野さんの警笛。

 

 これは私たちが真剣に考えなければいけない問題にもかかわらず、そのことに気付いてすらいない人が大勢いるのが世の中の現状です。

 私の会社でも「働き方改革」が叫ばれていますが、定時退社日を設定したり、パソコンのログでサービス残業を取り締まるなど、労働時間を制限する仕組みが整備されつつあるものの、本質的な業務内容はほとんど変わっていません。

 はっきり言って、この変化は本来会社が整えておくべき制度であったにもかかわらず、企業の怠慢により曖昧にされていたものが正されただけで働き方改革とは呼べません。

 

 この本を読んで私の疑念が確信に変わったので、変化することを恐れている人たちに対して、時代の流れにあった業務内容やサービスに変革していくことを提言する背中を押してもらえた気がします。

 

 

 3-2. ネタバレを恐れるな。人は「確認作業」でしか動かない。

 

 ルーブル美術館モナリザを見に行く人は、テレビか教科書で、すでにモナリザを見ているし、グランドキャニオンに旅行に行く人は、テレビかパンフレットで、グランドキャニオンを見ている。

~中略~

 メガヒットした『君の名は。』を観に行くのも、「そこまでヒットする作品って、どんなの?」と、やはり確認作業だ。行列ができるラーメン屋の行列に並ぶのも、やはり確認作業。

 ヒットがヒットを生み、人が人を呼ぶ理由が、これだ。

 

 人はあまり冒険しないので、ネタバレしているものに反応するという西野さんの意見。

 これはその通りであると思います。

 この記事も本の内容を一部抜粋して書かせてもらっていますが、部分的に開示することで続きが読みたくなり、結局全編読むために人は購買意欲が湧くので、ネタバレは売上げにつながると西野さんは言います。

 冒険はしたくないけれど、面白いと分かっているものには人はお金を払うからです。

 ただし、この戦法は実力がなければ成立せず、本物だけが生き残れる競争社会になります。

 実力が正しく評価される、そんな時代を私も待ち望んでいます。

 

 

 3-3. 自分の時間を使うな。他人の時間を使え。

 

 私事だが、ウォルト・ディズニーを倒そうと思っている。

~中略~

 当然だが、僕の1日24時間をフル活用しても追いつける相手ではない。この「1日=24時間」を、なんとかして増やさなければならない。自分の時間を増やすとなると、あとはもう、他人の時間をいただくしかない。「ワイドショーに出るのではなく、ワイドショーの出演者に自分の話をさせる」といった類いのアプローチで。

 

 西野さんはこの超情報化社会の特性をよく理解しており、自分の時間を使わずに、他人に広告させる能力が非常に長けています。

 クラウドファンディングしかり、SNSしかり、アンチさえも無償の広報活動に活用しています。

 

 私は西野さんのオンラインサロンの存在をSNSの第三者の口コミによって知りましたし、今でもたくさんの方がSNS上で自発的に広報活動を続けています。

 今書いているこの書評ブログもその類いでしょう。

 本書の中で「"#革命のファンファーレ"とタグを付ければ確実にいいねを押しに行く」、と西野さんはおっしゃっていますが、面白いものを世に広めたいという我々のようなセカンドクリエイターの心をうまく揺さぶる工夫をされています。

 

 私自身、会社の労働組合の活動の一環で選挙活動を手伝ったことがありますが、多くの人を巻き込み、中立者を支援者側にしてしまうことで手っ取り早く票を集めることができました。

 西野さんはこういった導線をうまく作ってあげることで、自分の時間を使わずに、他人の時間を使って1日を24時間以上の価値にしているところに非常に感銘を受けました。

 

 

 4. 最後に

 

こんな人にオススメ

 

 ・世の中のビジネスマン全員

 

 

 

 世の中のビジネスマンは全員読むべきです。

 こういう考え方ができる人が増えれば日本の社会もきっと面白くなるでしょう。

 

 テレビの仕事をやめたと『魔法のコンパス』で読んだときには、西野さんはリスクを恐れずに挑戦している、という印象でしたが、『革命のファンファーレ』を読んで、決してリスクを冒しているわけではなく、負けない戦い方をしているという印象に変わりました。

 やっていることはPDCAサイクルをうまく回している典型的なビジネスモデルですが、クラウドファンディングなどを用いた革新的な手段であるため面白いのです。

 

 踏み出す勇気は要らない。必要なのは「情報」だ。

 

 興味がある方はぜひこの本を読んで、あなたの革命のファンファーレを鳴らしてください。

 

 

 

【書評】PVが伸びない…タイトルが思いつかない…そんなときは東香名子さんの『100倍クリックされる 超Webライティング バズる単語300』でバズらせろ!

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記事のタイトルがなかなか思い浮かばないよ…

そんなときは東 香名子さんの『100倍クリックされる本』を参考にしてみるといいよ★

 

 

 こんにちは、サラリーマンブロガーの青井(@blue_mooon_blog)です。

 今回はコラムニスト東香名子さんの著書『100倍クリックされる 超Webライティング バズる単語300』をレビューします。

 

 企業のWeb担当の方や、ユーチューバー、ブロガーなどウェブで情報発信されている方で、「PVが伸びない…」「タイトルが思いつかない…」と悩まれている方は必見です!

 

 

 

 

 1. 『100倍クリックされる 超Webライティング』とは

 

 1-1. バズる単語300について

 

 『100倍クリックされる 超Webライティング バズる単語300』は2018年に発売された本です。

 この本は、読者の興味を惹きたてPV数アップに役立つ"バズる単語やフレーズ"が300ワード収録されており、「タイトルだけで読者にクリックさせる」ことに特化した内容になっています。

 また300ワードすべてに複数の用例と解説が付いており、タイトルで困ったときに開く、いわば"バズる単語の辞書"として使える実用的な一冊です。

 

 この『100倍クリックされる~』はバズる単語300以外にも、実践的な記事の書き方について書かれた『100倍クリックされる 超Webライティング実践テク60』も出版されており、"100倍クリックされる本"としてシリーズ化されています。

 

 

 

 1-2. 著者 東香名子さんについて

 

 東 香名子(あずま かなこ)さんは、ウェブメディアコンサルタントとして最新のヒットタイトルの研究を続けており、以前 女性サイト「東京独女スタイル」の編集長をしていた際に、アクセス数を月1万から650万PVまで押し上げた実績があります。

 現在はライター、コラムニストとしても活躍されており、女性ライフスタイル、恋愛、鉄道、旅行などの分野を得意としています。

 

 余談ですが、3代目J Soul BrothersのNAOTOさんは高校の同級生であり、同じダンス部に所属していたそうです。

 

 

 1-3. バズる単語300の読書時間

 

 私は読書をするときにストップウォッチアプリを使って、正確に読書時間を記録しています。

 そもそも、この本は最初から最後までいっきに読み進めるよりも、困ったときに必要なカテゴリーの箇所を開く辞書のような使い方をする本なので、読書時間にあまり意味はありませんが、参考までに公開しておきます。

 

 バズる単語300の読書時間は…

 1時間29分!

 

 300ワード分の例文や解説を読むにはそれなりのボリュームがありました。

 

 

 2. バズる単語300の評価

 

実  用  性 
読みやすさ 
価    格 
おすすめ度 

 

 

 2-1. 実用性 ☆5.0

 ウェブ発信者がタイトルやキャッチコピーで悩んだ時に、辞書や参考書のような使い方ができる本です。

 300ワードひとつひとつに用例が記載されており、テンプレートに当てはめることですぐに使える実用性の高い本です。

 

 2-2. 読みやすさ ☆4.0

 定番、トレンド、ライフスタイルなど300ワードが10種類のカテゴリーに分類・整理されており、必要なワードが探しやすい工夫がされています。

 索引があればなお良かったと思います。

 

 2-3. 価格 ☆4.0

  価格は税抜1,400円と可もなく不可もなくといったところ。

 300ワード掲載されているので単純計算で1ワード当たり約4.7円と考えると、お得な気がします。

 

 2-4. おすすめ度 ☆4.0

 流し読みするだけでは身につかないので、ウェブ発信者は常備薬のようなイメージで一家に一冊あって損はない一冊です。

 ただし内容が普遍的なため特化ブログの運営者にとっては、使えるワードが限定的な場合があるかもしれません。

 

 

 3. おすすめバズワード3選

 

 次に、私が本書を読んで使えると思ったバズワードを3つご紹介します。

 

 3-1. 「2位は〇〇、では1位は?」

 

 ランキング記事などに使えるおすすめフレーズ。

 例えば、2位は浮気、では1位は?女子に聞く恋人の許せないところ」といった使い方をすれば、2位の答えをあらかじめ見せることで1位の結果が気になって思わずクリックしてしまいます。

 

 

 3-2. 「やってはいけない」

 

 読者がよかれと思ってやっていた習慣や、世間では常識だと思われていたことを指摘するときに使えるワード。

 例えば、「眠くてもコーヒーを飲んではいけない3つの理由」と言われると、「一体、なぜ!?」と疑問を解消するために記事の続きを読みたくなります。

 

 

 3-3. 「〇〇が教える」

 

 手順や知識を解説する記事に使えるワード。

 例えば、365日カレーを食べ歩く私が教える、東京のおすすめカレー専門店10選」と言われると、詳しい人教えてくれると分かり、説得力と安心感からクリックにつながります。

 

 

 4. 最後に

 

  こんな人にオススメ  

 

 ・ウェブライターやブロガーなどセルフメディアで発信されている方

 

 ・企業のウェブ担当者などオウンドメディアで発信されている方

 

 

 バズる単語300はウェブのタイトルやキャッチコピーを作る機会の多い方におすすめする一冊です。

 PVが伸びない記事はタイトルを見直すことで改善できる可能性があるので、この本を活用して、これまでより100倍クリックされる記事でバズらせてみてください!

 

 

 

 

【書評】『もしドラ』はドラッカーの「マネジメント」を読んだことがないビジネスマンにオススメする一冊!

 

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ビジネス書を読んでみたいけど、なんだか難しそうだな~

そんなビジネスマンには『もしドラ』をオススメするよ★

 

  こんにちは、通勤電車で毎日読書をしている青井(@blue_mooon_blog)です。

 今回は『もしドラ』でおなじみの『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』をレビューします。

 この本は若手~中堅のビジネスマンにぜひ読んでもらいたい一冊です。

 

ネタバレはないので安心してね。

 

 

 

1.『もしドラ』とは

 

1-1.もしドラのあらすじ

 

  舞台は東京都立の弱小野球部。

 高校二年生の川島みなみは、病に倒れた親友の宮田夕紀に頼まれ野球部のマネージャーを務めることになった。

 マネージャーのことを理解するために書店でピーター・F・ドラッカーの「マネジメント」を購入するが、この本は経営者や起業家のための本であることに気づき落胆する。

 しかし、「マネジメント」の内容が野球部の組織づくりにも活かせることに気づき、次第に夢中になっていく。

 みなみと夕紀、そして野球部の仲間たちが、ドラッカーの教えをもとに力をあわせて甲子園を目指す青春物語。

 

 

1-2.もしドラの作品について

 

  もしドラは2009年に発売され、累計発行部数が270万を突破する大ヒットを記録しました。

 これは出版元であるダイヤモンド社創業以来のミリオンセラー作品でもあります。

 

 著者である岩崎夏海さんがブログに書いた記事が、偶然ダイヤモンド社の編集者の目に留まり、もしドラは書籍化に至りました。

 のちに一世風靡を巻き起こしたこの作品が、偶然にも世に広まったことには驚きですね。

 

 その後、アニメ化、マンガ化、そして元AKB48前田敦子さん主演で映画化もされました。

 

 また2015年には、後編となる『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「イノベーションと企業家精神」を読んだら』(もしイノ)が発売されています。

 

 

 

1-3.もしドラの著者 岩崎夏海さんについて

 

  著者の岩崎夏海さんは非常に変わった経歴をされています。

 

 芸術大学卒業

 → 放送作家

 → AKB48アシスタントプロデューサー

 → ゲーム・ウェブコンテンツの開発

 → 小説家

 → 出版社社長

 

 岩崎さんはもともと本をたくさん執筆されていたわけではなく、もしドラは作家として初めて発売された作品です。

 そして、2016年からは岩崎さんの祖父が創業者であり『はれときどきぶた』などで知られる児童書出版社・岩崎書店の社長に就任されています。

 

 

1-4.もしドラの読書時間

 

  私は読書をするときにストップウォッチアプリを使って正確に読書時間を記録しています。

 

 もしドラの読書時間は…

 2時間55分!

 

 1日1時間の通勤時間の読書でも3日で読み上げることができました。

 

 文章量でもあとがきを含め272ページありますが、テンポがよくスラスラ読めました。

 また、経営書という難しい題材を扱いながらも、難しい表現を使わず非常に読みやすい本でもありました。

 

 ただ私は電車の中で読んでおり、書評のために読み込んでいるので、集中した環境であればもっと短時間で読めるでしょう。

 

 

2.もしドラの感想

 

  次に、私がもしドラを読んだ感想やこの本の魅力を3つご紹介します。

 

2-1.野球部の顧客とは何ぞや?

 

  この本の面白さは"高校野球 × ドラッカー"という接点のない2つのものを、うまく融合させているところにあります。

 

  例えば物語の序盤に、主人公・みなみちゃんが「野球部の顧客は誰か?」と悩むシーンがあります。

 「試合を見に来るお客さん」という答えのわかりきった問いではないことは理解しつつも、しっくりくる答えを出せないでいました。

 そのとき、将来起業家を目指している野球部員でドラッカーの大ファンでもある二階正義に相談することにより、「野球部の顧客は誰か」「野球部の定義とは何か」の答えを導き出すことができ、前に進むことができました。

 

 このように、ドラッカーの「マネジメント」を高校野球に当てはめていくアイデアが面白く、読み進めていくことで徐々にストーリーに引き込まれてしまいます。

 

 

2-2.ストーリー終盤の展開は好みが分かれる

 

 もしドラは基本的には何か壁にぶつかるたびに、みなみちゃんが「マネジメント」を読んで問題を解決していくサクセスストーリーです。

 中盤までは「マネジメント」を引用しながら、みなみちゃんたち野球部が次はどのように課題を乗り越えていくのかワクワクしながら読み進めていましたが、終盤はほとんど「マネジメント」を開くこともなく急にストーリー感が強まります。

 

 まず、野球のシーン。

 作中で最後に描かれている試合では、勝負どころでの伏線の回収の仕方が読めてしまい、"裏切られた感"があまり感じられませんでした。

 

 そして、親友夕紀ちゃんとの終盤のシーン。

まるで最初から映画化されることが決まっていたかと思うくらい、多少強引に感動シーンを作ったように感じてしまいました。

 筆者もあとがきで秋元康さんに影響を受けたと言っていますが、終盤で少しエンターテイメント性が強まりすぎた気がします。

 

 ただ、この本を読んで涙された方もたくさんいらっしゃるので、ここは好みの問題かと思います。

 

 私は高校野球ドラッカーを組み合わせたアイデアが非常に面白く感じたので、この本の魅力はコンセプトにあると思っています。

 

 

2-3.もしドラのジャンルはビジネス書!?

 

 この本のジャンルは?と聞かれると、答えは"小説"であることは間違いありません。

ただ、私はビジネス書としての側面にも価値があると感じました。

 

 なぜなら、ドラッカーの教えと同じようなことを会社でも教育されているからです。

 

 例えば打撃も守備も苦手だがチームで一番足の速い朽木文明は、自分がレギュラーであることに悩んでいるシーンがあります。

 このときも、ドラッカーの教えである「自分の仕事が組織の成果に結びついている」と感じさせるために、責任とやりがいを与える工夫をすることで乗り越えています。

 

「人を生かしなさい」と言われても何をどうすれば良いか分かりにくいところを、この本では具体例を示すことで読み手に気づきを与えてくれます。

 

 みなさんも子供に足し算や引き算を教えるときには、「りんごを3つ買ってきて、1つ食べたから~」と具体的にイメージしやすいものに例えて説明するはずです。

 

 本書では、文章で読むだけでは理解しにくいドラッカーの「マネジメント」を、高校野球を用いて説明してくれています。

 

 そのため、難しい本が苦手な方でもこの本を読めばドラッカーの教えの基本は理解することができ、ビジネス本への導入書として有効です。

 

 

 また、この本を読みやすくしている要因をもう一つご紹介します。

 

 それは表紙絵です。

 

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (新潮文庫)

 

 普通小説では文章の描写から読み取って、登場人物の顔や声などのイメージ像を読み手の中で自由に作っていきます。

 

 一方、本書では表紙絵に主人公・みなみちゃんが描かれており、また所々にある挿し絵により主人公のイメージを脳内で創り出すという読者の負担を減らすことで、読みやすさを巧妙に作り出しています。

 

 みなみちゃんのモデルがAKB48ということもあり、アイドルのような風ぼうで一見ライトノベルのような装丁ながら、本の内容はビジネス書としての学びも多く、幅広い層から読まれる要因になっていると思います。

 

 

 3.もしドラのまとめ

 

では最後にポイントをまとめます。

 

  POINT  

 

  

  

  • 3時間弱で読める割には得るものが多い

 

  • 若手~中堅のビジネスマンにこそ読んでほしい

 

 

 この本を読むことで組織をマネジメントすること、またそのリーダーの役割は大事だと改めて気づかされます。

 

 特に若手~中堅ビジネスマンには今後の会社生活の中で役立つはずですが、ビジネスマンだけでなく、文化祭の実行委員でも、地域の自治会の役員でも、誰かの上に立つ人には是非読んでほしいと思います。