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【書評】キンコン西野さんの『革命のファンファーレ』は、1日を24時間以上の価値にできる術が身につく一冊!

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キングコング西野亮廣さんが書いた『革命のファンファーレ』ってどんな本なの?

デジタルネイティブの時代を生きぬくための「お金と広告」について書かれた、とっても面白いビジネス書だよ★

 

 こんにちは、サラリーマンブロガーの青井(@blue_mooon_blog)です。

 今回はキングコング西野亮廣さんの著書『革命のファンファーレ』をレビューします。

 

 「西野さんって最近テレビで見なくなった芸人でしょ?」と思われている方もいるかもしれませんが、この本を読めば、西野さんがこの超情報化社会の特性を理解し、圧倒的な情報量と覚悟により"道なき道を歩く現代の革命家"であることがわかると思います。

 

 将来起業家を目指している方や、ドキドキワクワクした何か新しいことを始めたい方には、この本に書いてあるビジネスマインドを参考にしてほしいと思います。

 

 

 

 

 1. 革命のファンファーレについて

 

 1-1. 革命のファンファーレとは

 

 『革命のファンファーレ』は2017年に出版された本です。

 この本は大きく2つの構成になっており、

 ①絵本『えんとつ町のプペル』の販売戦略と広告の話

 ②本書『革命のファンファーレ』の販売戦略と広告の話

 について書かれています。

 まさかの「今あなたが読んでいる本はこういう戦略で売ります」という内容。

 でも西野さんの考え方が非常にロジカルで斬新なので面白いです

 また、お金と信用の関係や、これからの時代の働き方についても言及されています。 

 

 

 1-2. 『魔法のコンパス』との違い

 

 西野さんは『革命のファンファーレ』以外にも何冊かビジネス書を執筆されています。

 先に出版された『魔法のコンパス』もその中のひとつ。

 本書の中で「魔法のコンパスをアップデートした」旨の記述がありますが、そのとおり魔法のコンパスと革命のファンファーレでは内容的に重複している部分があります。

 

 その中でも『魔法のコンパス』は、 絵本作家やクリエイターとして多方面で活躍されている今日に至るまでの経緯、西野さんの目指すところやマインドを中心に書かれている一方で、『革命のファンファーレ』ではより具体的にえんとつ町のプペルの販売戦略などが書かれています。

 

 「どちらを先に読んだほうがいいか?」と問われると、私は魔法のコンパスを先に読んだほうが西野さんの目指す方向性が理解できて、よりスムーズに内容に入っていけると思います。

 「どちらか一冊を読むならどちらがいいか?」と問われると、こちらも魔法のコンパスをオススメします。

 なぜなら、導入書として魔法のコンパスを読めば、西野さんの活動が非常に興味深いことに気づき、必然的に革命のファンファーレも読みたくなるからです。

 

 興味が湧いた方はこちらの記事も参考にしてください。

blue-mooon.hatenablog.com

 

 

 1-3. 著者 西野亮廣さんについて

 西野亮廣(にしのあきひろ)さんは梶原雄太さんとコンビを組み、キングコングとして活動している言わずと知れた人気芸人です。

 ただ西野さんは芸人の粋にとどまらず、絵本作家や講演家、また国内最大級のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」のオーナーでもあり、様々な領域で活躍されています。

 

 西野さんの活動をよく知らない方は、"炎上芸人"のイメージがあるかもしれませんが、2018年には「リベンジ成人式」を企画、2019年には渋谷に無料のコーヒーショップをオープンさせるなど、オンラインサロンのメンバーと共に世の中にオモシロイことを提供しています

 

 

 1-4. 革命のファンファーレの読書時間

 

 私は読書をするときにストップウォッチアプリを使って、正確に読書時間を記録しています。

 

 革命のファンファーレの読書時間は…

 2時間25分!

 

 310ページと比較的ボリュームはありますが、面白いのでサクサク読み進めることができました。

 私が読んでいる本の中では平均的な時間と言えます。

 

 

 

 

2. 革命のファンファーレの評価

 

面  白  さ 
タメになる 
読みやすさ 
価   格 
おすすめ度 

 

 

 2-1. 面白さ ☆4.5

 内容は抜群に面白いです。安定の面白さはさすが西野さん、と言ったところ。

 読んでいてこれほどワクワクするビジネス書にはなかなか出会えないと思います。

 ただ先述のとおり、『魔法のコンパス』と内容が重複する部分も多く、前作も読んだ方には目新しさでは少し劣ってしまうため、満点から☆0.5を引かせてもらいました。

 

 

 2-2. タメになる ☆5.0

 これに関しては文句のつけようがありません。

 過去の実績や常識の上にあぐらをかいている人には到底思いつきもしない、西野さんの時代の変化に合わせたビジネスモデル。

それをいち早く実践し、成功を収めている裏に隠された行動の数々は非常に勉強になります。

 

 

 2-3. 読みやすさ ☆5.0

 難しい用語も一切でてこず非常に読みやすい本です。

 前作では若干話題が散らかっていましたが、今作は「お金と広告」にテーマを集約することで読みやすくなっています

 また、インスタで拡散されることを意識して正方形に作った、という格言的な見出しのレイアウトもしかり、各項の小見出し、重要な部分の太字など、読み手に取って読みやすい 且つ 読み返しやすい工夫が施されている点もGood。

 

 

 2-4. 価格 ☆4.0

 価格は税抜1,389円と可もなく不可もなくといったところ。

 この値段を出して読む価値は十分にあります。

 

 

 2-5. おすすめ度 ☆5.0

 間違いなくオススメできる一冊です。

 私は西野さんの信者でも、オンラインサロンの会員でもありませんが、ビジネス書として純粋に参考になる内容ですので、「四の五の言わずにとにかく読んでみろ」と言いたいです。

 

 

 3. 革命のファンファーレを読んで響いた言葉

 

 3-1. 変化しなければ生き残れない時代に、僕らは立ち会っている

 

 頑張れば報われる時代は終わり、変化しなければ生き残れない時代に、僕らは立ち会っている。面白いじゃないか。変化しなくても良かった世代の常識と、衝突することもあるだろう。あなたが革新的な動きをみせれば、それが革新的であればあるほど、摩擦は大きくなる。

~中略~

 単純に彼らの理解が追いついていない場合もあるが、そこに発生する批判のほとんどは「変化することに対する恐れ」だ。ならば、そんな批判を甘んじて受けようじゃないか。変化しなければ死んでしまう時代なのだから。

 

 私たちの親世代の常識は「お金=ストレスの対価」であり、死ぬほど働くことが美徳とされてきましたが、"情報革命"すなわちインターネットの普及により、働き方も常識もお金の形も色んなものが変化しています。

 そして、その革命を親や先生は経験していないので、自分で変化を捉えて対応していかなければいけない時代になったという西野さんの警笛。

 

 これは私たちが真剣に考えなければいけない問題にもかかわらず、そのことに気付いてすらいない人が大勢いるのが世の中の現状です。

 私の会社でも「働き方改革」が叫ばれていますが、定時退社日を設定したり、パソコンのログでサービス残業を取り締まるなど、労働時間を制限する仕組みが整備されつつあるものの、本質的な業務内容はほとんど変わっていません。

 はっきり言って、この変化は本来会社が整えておくべき制度であったにもかかわらず、企業の怠慢により曖昧にされていたものが正されただけで働き方改革とは呼べません。

 

 この本を読んで私の疑念が確信に変わったので、変化することを恐れている人たちに対して、時代の流れにあった業務内容やサービスに変革していくことを提言する背中を押してもらえた気がします。

 

 

 3-2. ネタバレを恐れるな。人は「確認作業」でしか動かない。

 

 ルーブル美術館モナリザを見に行く人は、テレビか教科書で、すでにモナリザを見ているし、グランドキャニオンに旅行に行く人は、テレビかパンフレットで、グランドキャニオンを見ている。

~中略~

 メガヒットした『君の名は。』を観に行くのも、「そこまでヒットする作品って、どんなの?」と、やはり確認作業だ。行列ができるラーメン屋の行列に並ぶのも、やはり確認作業。

 ヒットがヒットを生み、人が人を呼ぶ理由が、これだ。

 

 人はあまり冒険しないので、ネタバレしているものに反応するという西野さんの意見。

 これはその通りであると思います。

 この記事も本の内容を一部抜粋して書かせてもらっていますが、部分的に開示することで続きが読みたくなり、結局全編読むために人は購買意欲が湧くので、ネタバレは売上げにつながると西野さんは言います。

 冒険はしたくないけれど、面白いと分かっているものには人はお金を払うからです。

 ただし、この戦法は実力がなければ成立せず、本物だけが生き残れる競争社会になります。

 実力が正しく評価される、そんな時代を私も待ち望んでいます。

 

 

 3-3. 自分の時間を使うな。他人の時間を使え。

 

 私事だが、ウォルト・ディズニーを倒そうと思っている。

~中略~

 当然だが、僕の1日24時間をフル活用しても追いつける相手ではない。この「1日=24時間」を、なんとかして増やさなければならない。自分の時間を増やすとなると、あとはもう、他人の時間をいただくしかない。「ワイドショーに出るのではなく、ワイドショーの出演者に自分の話をさせる」といった類いのアプローチで。

 

 西野さんはこの超情報化社会の特性をよく理解しており、自分の時間を使わずに、他人に広告させる能力が非常に長けています。

 クラウドファンディングしかり、SNSしかり、アンチさえも無償の広報活動に活用しています。

 

 私は西野さんのオンラインサロンの存在をSNSの第三者の口コミによって知りましたし、今でもたくさんの方がSNS上で自発的に広報活動を続けています。

 今書いているこの書評ブログもその類いでしょう。

 本書の中で「"#革命のファンファーレ"とタグを付ければ確実にいいねを押しに行く」、と西野さんはおっしゃっていますが、面白いものを世に広めたいという我々のようなセカンドクリエイターの心をうまく揺さぶる工夫をされています。

 

 私自身、会社の労働組合の活動の一環で選挙活動を手伝ったことがありますが、多くの人を巻き込み、中立者を支援者側にしてしまうことで手っ取り早く票を集めることができました。

 西野さんはこういった導線をうまく作ってあげることで、自分の時間を使わずに、他人の時間を使って1日を24時間以上の価値にしているところに非常に感銘を受けました。

 

 

 4. 最後に

 

こんな人にオススメ

 

 ・世の中のビジネスマン全員

 

 

 

 世の中のビジネスマンは全員読むべきです。

 こういう考え方ができる人が増えれば日本の社会もきっと面白くなるでしょう。

 

 テレビの仕事をやめたと『魔法のコンパス』で読んだときには、西野さんはリスクを恐れずに挑戦している、という印象でしたが、『革命のファンファーレ』を読んで、決してリスクを冒しているわけではなく、負けない戦い方をしているという印象に変わりました。

 やっていることはPDCAサイクルをうまく回している典型的なビジネスモデルですが、クラウドファンディングなどを用いた革新的な手段であるため面白いのです。

 

 踏み出す勇気は要らない。必要なのは「情報」だ。

 

 興味がある方はぜひこの本を読んで、あなたの革命のファンファーレを鳴らしてください。